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2013年5月26日

ひとくちにストリートダンスと言っても、
みなさんもご存知の通り様々なジャンルがありますね。

ヒップホップ、ロック、ハウス、ポップ、ブレイキング、ソウルダンスなどが代表的ですが、
実は厳密に言うと道端でパフォーマンスが出来るブレイキング、ポップがストリートダンスということになります。

それでは他の物は何なのか、1970年代からあるソウルダンスやロックダンス、
そしてその後に生まれたポップの原型とも言えるロボットダンスは、
当時流行っていたディスコと呼ばれるダンスホールで行われることから、ディスコダンスと言うのが正しく、
また1990年代に生まれたヒップホップダンスやハウスダンスは現在でも若者の間で流行するクラブで行われることから、
クラブダンスと言うのが正しくなります。

これを現在ではひとまとめにストリートダンスと読んでいるわけです。

また、ヒップホップという言葉は、具体的には音楽からその精神に至るまでの文化を指すもので、
ダンスだけを指すものではありません。

まあこの辺りは少々複雑に思われるかもしれませんが、ここではザックリご紹介しておきますと、
メッセージや自分の考えをリリック(歌詞)にし、音楽に乗せて伝えるMC(ラップ)と、
レコードを回してミックスしカッコいいビートや曲をクリエイトするDJ、
壁などに絵を書くなどしてデザインし(隠しメッセージ等)表現をするグラフィティアーティスト、
そして身体を使いダンスでパフォーマンスするダンサー(B-BOY)これら四つの要素が集まってHIP HOPといいます。

近年ではこれに加え、ヒップホップにおける哲学やマネージメントを行う人もその要素として含まれてくる場合があります。

ザックリですがそういうわけで、
ヒップホップとはアメリカに住む黒人の方やプエルトリカンの方々(初期のメンバーは全員天才)が作った非常にカッコいい一つの文化であり、
これに憧れた日本に住むセンスの高い遊び人の先輩方が日本でもやり始めたのがきっかけになって現在まで続いています。
(これ以上深い話もありますが、今回このコラムで話したいことから離れてしまいそうなのでこの辺で。)

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この様にストリートダンスと呼ばれるものには色々なスタイルがありますので、
ここではそのすべてに共通している部分で考えてみます。

それは『自分のイメージやフィーリングで自由に踊る』ということです。これがストリートダンスの醍醐味であり、目的です。

これはそれまで主流であったダンスとは全く違います。

例えばストリートダンスが生まれる前にあったダンスというものの多くは、決められた動きをいかに正確にキチンと行い、
先生に要求されればそれを何としてもクリアするために努力し、自分のイメージなどはさておき、
いかに先生のイメージを忠実に表現するか、これがそれまでのプロフェッショナルとされる考え方なわけです。

大きな舞台で、立ち位置を間違えずに覚え、決められた音楽で決められた事を行なう事が求められるわけです。

舞台とは総合芸術でありますから、そういった決まり事を守らないと、舞台を作る技術スタッフや、
裏方のスタッフとの連携が合わず、作品が台無しになってしまうので、
決められたことを忠実に行うのもとても大切なことになります。

しかしストリートダンスの場合、作品を作るのが必ずしもの目的ではなく、自分が踊りたい時に踊るのが一番ですし、
上手くなった人は他人より目立って観客を沸かせたいと考えたりするので、踊る目的もだいぶ異なってきます。

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個のパーソナリティを重視し、それまでの日常では味わえなかった感動や歓喜のように、
生きることの楽しさを得ることが”だれでも”できる素晴らしいものがストリートダンスにはあったため、
この様にストリートダンスの文化が海を超え世界に広がって行ったわけです。

そろそろ本題にはいりますが、近頃この辺りの本質が一般の方にわかりづらくなっている現状があるようです。

例えばあるキッズのお母さんに伺ったのですが、

「以前通っていた時の話ですが、レッスンに行くと、既に決められた振付があり、
それが出来ないと注意され、怒られ、何とか一生懸命に練習するけど、出来ないとまた怒られる。
ある程度できると楽しいし、お友達とも会えるから良いのですが、
子供自身がなんのために踊るのかがわからなくなってしまい、結局ダンスをやめてしまいました。」

さてこれはいかがでしょうか?

皆さんは「その子が根性がないからダメなんだ。」

と思うでしょうか、あるいは

「子供が楽しめないんだからダメな先生なんじゃないか。」

と考えますでしょうか。

いずれも答えはノーです、どちらでもございません。

これはそういうことじゃないんです、
確かにお子さんが飽きっぽかったりしてなかなか集中できなかったり、
先生も生徒がたくさんいて一人一人にあまり気を配れなかったりということはあったかもしれません。

でも問題はもうちょっと根が深いところにあります。

その一つをあげると、それはストリートダンスをレッスンにするという形が始まった当初、
どうやって指導して行けば良いのか、まだ指導要項みたいなものもほとんどない時代に、
指導者は困り、色々考えた結果、ストリートダンスが始まる以前からあったダンスのレッスンを参考にするという状況があったんです。

そしてこれは確かに、当時なら無難な策と言えるでしょう。

それで、この先生というのも、実際に自分も生徒だった時代にそのようなレッスンを受けていたので、
自分が先生になった今も生徒に同じようなレッスンをしてしまったと考えられるのではないでしょうか。

そんなわけで、結局のところ誰も責められないかもしれません。

しかし、ここで考えたいことがあります。

ストリートダンスも時代は流れ、既に30年以上立ちました。

自分のイメージやフィーリングで自由に踊るのが醍醐味だったはずが、
言われたことやるだけの踊るだけになってしまったのか。

コンテストやバトルなど、他人に評価してもらうために一生懸命になるのがダンスなのか。

レッスンであろうが舞台であろうが、ストリートなら既存のものにとらわれず、
柔軟に、クリエイトし続け、オリジナルのスタイルを目指すべきではないかと。

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もう一度書きます、

ストリートダンスは、個のパーソナリティを重視し、自分のイメージやフィーリングで自由に踊り、
その結果周りの人にもポジティブな影響を与え、人生をさらに楽しく彩る事ができるとても素晴らしい力を持った一つの文化です。

身体はご飯を食べて成長しますが、心や精神は文化を食べて成長します。

この両方があってこそ人間の成長と言えると思います。

ヒップホップの精神には、人と違うことをクリエイトしオリジナルを作るという考え方や、
フックアップと言って、もし調子が悪い仲間とか周りよりちょっとできない子がいたら、
腕を組んで仲間を引き上げるという考え方も存在します。

もしこの先生も、ヒップホップに興味を持った時点でダンス以外の視点でヒップホップの文化にアプローチできていたら、
レッスンの方法も自分が生徒だった頃の方法にとらわれず、
今目の前にいる子供達の様子をしっかり見て、自分で独自に研究開発していれば、
また違った結果が生まれていたことでしょう。

しかし現在のダンスシーンでは、ヒップホップダンスはやるけど、
ヒップホップの文化にまで興味を持つ方は少なく、
また以前は一緒だったグラフィティアーティストやラップアーティストのような同じ文化の仲間とも、
現在は活動の現場が離れてしまったため、実際に集まって文化について話し合ったりする事も、
かなり努力しないとなかなか難しい状況があります。

ただ、私自身はこれではストリートダンスを教えたということにはならないと考えているので、
実際に文化に携わっている方、また理解した上で実際に実行している方と出来る限り交流し、
文化についての考えを話し合ったりしています。

ヒップホップやストリートなら、たかがダンスの先生でもストリートダンスを伝えるとともに、
文化に対しての責任がもてなくては、実際に先生とは呼べず、
自分よりちょっと上手い先輩というだけです。

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最後にもう一つだけ付け加えさせて頂きますが、

フィーリングダンスの元祖である「ソウルダンス」の言葉に注目して下さい。

この場合のダンスは、心から踊る(魂で踊る)ということです。

もし体が不自由で右手の小指しか動かなくても、
音楽を聞いて自分のイメージで心が弾めばそれがダンスです。

ストリートは他人と違くて全然良いんです。

その人それぞれにスタイルがあり、オリジナルがあり、味がある。

それがそれぞれ違うからこそ楽しいし、違うのにあえて合わせるからまたユニゾンも面白いんです。

言葉にできない感情をダンスにぶつけることで、嫌な気持ちもすべてがポジティブに変換される。

ストリートダンスにはそんなすごい力もあります。

タイトルの「ストリートダンスって?」について、

その答えは様々ありますが、今日はこう言っておきます。

“ストリートダンスとは、精神に栄養を与える事ができる素晴らしい文化の一つです”

 

今日は長文になってしまい申し訳ございません。

最後までご拝読いただきありがとうございました。

 

GROOVE FOUNDATION代表 NUE

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